甲状腺ホルモンは妊娠の成立や維持、胎児の発育に必要で、甲状腺ホルモンの不足は「不妊」「流産・早産」「妊娠高血圧症候群」などの原因になることがあります。
妊娠を希望する場合は、妊娠前から甲状腺機能を正常に保つ必要があり、甲状腺機能が低下している場合は甲状腺ホルモン薬(チラーヂンS)を服用します。
甲状腺機能の調整は、甲状腺刺激ホルモン(TSH)を指標に行います。
通常のTSHの基準上限値は 4.23 μU/mLですが、それより低い 2.5 μU/mLを上限値として甲状腺ホルモン薬の服用量を調整します。
妊娠成立後
妊娠成立後は、妊娠の維持や胎児の発育のため、必要とする甲状腺ホルモンの量が増えるので、甲状腺ホルモン薬を増量します。
また、妊娠をきっかけに甲状腺ホルモン薬の服用を始めることもあります。
妊娠初期は4週ごと、その後は妊娠30週前後に受診して、甲状腺機能を確認します。
出産後は、甲状腺モルモンの必要量が妊娠前の状態に戻るため、増量していた甲状腺ホルモン薬は減量または中止します。
授乳中も、甲状腺ホルモン薬は問題なく服用できます。