経皮的エタノール注入療法(percutaneous ethanol injection therapy:PEIT)とは、嚢胞(液体のつまった袋)に針を刺入し、中の液体を注射器で吸引して抜いた後、エタノールを注入することにより、嚢胞内の空間をつぶしてしまう治療方法です。
エタノールは1~2mLずつ、2回に分けて注入します。エタノールの作用によって、嚢胞の内側の組織が脱水を起こして固まり、血液の流れが悪くなって壊死(えし)することで、嚢胞が再び広がらないようにします。
治療は外来で行うことができ、多くは1回~数回で治療効果が得られますが、何回繰り返しても効果がみられないこともあります。
合併症
エタノール注入時に痛みや灼熱感を伴うことが多いです。
その他、発熱、出血、声のかすれ(反回神経麻痺)などが起こることがあります。
注入部周囲にエタノールが漏れてしまうと、周囲の組織との癒着が起こり、手術が必要となった時に手術が難しくなることがあります。