何らかの原因によって甲状腺に炎症が起こり、組織が破壊されて、甲状腺に蓄えられていたホルモンが血液中に漏れ出ることで、甲状腺ホルモンが過剰になります。
甲状腺は破壊されても痛みはないことから「無痛性甲状腺炎」と呼ばれます。
症状について
血液中の甲状腺ホルモンが増えるため、動悸や息切れがしたり、疲れやすくなります。
症状がほとんど出ず、検査で偶然発見されることもあります。
血液中の甲状腺ホルモンが増加した後、ホルモンが一時的に少なくなります。
これは炎症によって甲状腺に蓄えられていたホルモンが一気に血液中に流れ出て、蓄えられていたホルモンがほとんどなくなってしまうからで、数か月以内に自然に回復します(下図の経過 ①)。
一時的な甲状腺ホルモンの低下がなく経過することもあります(下図の経過 ②)。
数か月から数年後に繰り返して起こることがあります。
橋本病のある人やバセドウ病が治った人に多く、自己免疫が関与していると考えられていますが、はっきりした原因はわかっていません。
出産後2~3か月で起こることもあり、「出産後甲状腺炎」とも呼ばれます。