リンパ腫は、主にリンパ節や脾臓、扁桃腺などのリンパ組織に発生しますが、まれに甲状腺に発生することがあります。
甲状腺の悪性リンパ腫は、甲状腺の悪性腫瘍のうち2~3%とまれですが、多くが橋本病から発症します。
橋本病では、甲状腺にリンパ球がたくさん集まっており、そのリンパ球が腫瘍化することにより、リンパ腫が発症します。
悪性リンパ腫を発症するのは、橋本病のごく一部の人ですが、その多くが60~70歳代で発症します。
症状
典型的な症状は「甲状腺の腫れ」で、数週~2か月の間に急激に甲状腺が大きくなることもあれば、1~2年かけて少しずつ大きくなる場合もあります。
自覚症状がなくても、超音波検査で偶然発見されることもあります。
検査と診断
超音波検査と穿刺吸引細胞診を行い、悪性リンパ腫が疑われた場合、針生検や切開生検で甲状腺組織を採取して正確な診断をつけます。
組織検査により、悪性リンパ腫のタイプ(「MALTリンパ腫」「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」など)が診断されます。
また、CT検査やPET検査、骨髄穿刺などにより、リンパ腫が全身にどの程度広がっているかを調べます。
治療
放射線外照射療法と抗癌剤治療があり、リンパ腫のタイプと広がりに応じた治療が行われます。