細胞が自ら増殖し、正常の細胞とは形態が異なる「腫瘍(濾胞腺腫や甲状腺癌)」と違って、外からの刺激に対して反応した細胞が、正常な形態を保ったまま過剰に増殖したもの、いわゆる「過形成」です。
厳密にいうと腫瘍ではないものの、良性の「しこり」であり、一般的には良性腫瘍に含めて考えられます。
しこりが1つの場合は「腺腫様結節」、複数の場合は「腺腫様甲状腺腫」と呼びます。
しこりが大きければ首の腫れに気がついたり、首が圧迫され、ものを飲み込む時に違和感を感じることがありますが、通常は自覚症状が無く、検診等の超音波検査によって偶然発見されることもあります。
しだいに大きくなり、鎖骨の下の縦隔(左右の肺の間)にまでしこりが侵入することがあります(縦隔内甲状腺腫)。
まれに甲状腺ホルモンを過剰に作るしこりもあります(機能性甲状腺結節)。
診断
治療
一部のしこりは大きくなることがあるため、半年から1年ごとに超音波検査と血液検査で経過をみます。
首の腫れが目立つ場合や圧迫症状が強い場合は、手術やラジオ波焼灼療法が行われます。
ただし、悪性腫瘍の合併が疑われる場合や縦隔内甲状腺腫については、ラジオ波焼灼療法の適応はなく、手術が勧められます。
機能性甲状腺結節には、アイソトープ治療(放射性ヨウ素内用療法)や手術が行われます。