嚢胞は、甲状腺の中で液体がたまってできた袋状のもので、通常は球状の形をしています。
腫瘍の一部が変化したり、出血が起きることでできた嚢胞もあります。
嚢胞の内容液は、黄色で透明なもの、暗赤色のもの、ゼリー状で粘度が高いものまでさまざまです。
症状
基本的に症状はありませんが、大きくなると硬いしこりとして触れるようになります。
自然小さくなったり、無くなることもあります。
まれに嚢胞の中で出血を起こし、痛みを伴って急に大きくなることがありますが、数日すれば痛みは消えます。
検査と診断
超音波検査では、嚢胞は液体がたまって暗く見えます。
中の液体を注射器で吸引して抜いた後、残ったしこりの部分から細胞診を行うことがあります。
治療
多くは治療の必要がなく、経過観察になります。
嚢胞が大きい場合は、中の液体を注射器で吸引して抜きます。
何回吸い出しても繰り返し大きくなる場合や嚢胞液の粘度が高く注射器で吸い出せない場合は、経皮的エタノール注入療法(PEIT)や手術を行います。
悪性腫瘍に伴う嚢胞は手術が必要です。