ゆっくりと進行する高分化癌(乳頭癌、 濾胞癌)の中に、増殖が速くて悪性度の高い「低分化成分」がみられる癌です。
悪性度の低い「高分化癌」と悪性度の高い「未分化癌」の中間に位置づけられており、甲状腺癌のなかでは約1%とまれです。
高分化癌に比べてやや進行が速く、離れた臓器に転移しやすい傾向がありますが、まれに未分化癌に近い経過をたどることもあります。
診断
穿刺吸引細胞診で低分化癌を推定することはしばしば困難であり、細胞診で乳頭癌や濾胞癌が疑われて手術を行い、手術後の病理組織検査で低分化癌と診断されることが少なくありません。
治療
手術で甲状腺を全て切除(全摘)した後、アイソトープ治療(放射性ヨウ素内用療法)や分子標的薬治療を行います。